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第13回:サンフランシスコ(続)
国際大学GLOCOM/
主任研究員・准教授、レジリエントシティ研究ラボ代表
櫻井 美穂子
櫻井 美穂子
ノルウェーにあるUniversity of AgderのDepartment of Information Systems准教授を経て2018年より現職。博士(政策・メディア)。ノルウェーにてヨーロッパ7か国が参加するEU Horizon2020「Smart Mature Resilience」に参画。専門分野は経営情報システム学。特に基礎自治体および地域コミュニティにおけるICT利活用について、レジリエンスをキーワードとして、情報システム学の観点から研究を行っている。Hawaii International Conference on System Sciences (2016)およびITU Kaleidoscope academic conference (2013)にて最優秀論文賞受賞。
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テクノロジーを活用したレジリエンスプログラム
今回は、前回に引き続き、サンフランシスコを取り上げます。2020年の推定人口は89万人で、今後1年あたりおよそ1万人増加することが予想され、20年後には人口100万人を超えるといわれています。同時に、日本と同様に地震が多いエリアです。人口増加を踏まえたSF@1M(1 million)が、サンフランシスコのレジリエント戦略のスローガンです。
レジリエント戦略の中身は自然災害への備えに大きく注力しており、テクノロジーの活用にも積極的です。今回は、いくつか特徴的な取り組みについてご紹介します。
SF72プラットフォーム
次世代のための災害への備えとコミュニティーづくりのためのプラットフォームです。このプラットフォームからメンバーに対して、災害などの非常時における交通・道路状況や津波・洪水警報、生活支援情報などが配信されます。災害に対する備えの意識付けを行うとともに、若い世代の市民に対するコミュニティー形成の場としての機能が期待されています。
プラットフォームの開発・運営は市の危機管理担当が行っています。市ではこれまでも、日本と同じように、定期的な防災訓練や市民とのコミュニケーションツールを持っています(アラートSFと呼ばれる、日本でいうところのエリアメール/緊急速報メールに近いサービスを市が保有。日本との相違点は、アラートSFでは、事前に登録したデバイスやemailアドレスにのみ情報が伝達されるという点)が、SF72プラットフォームはターゲットを絞り込み、より深いレベルでのコミュニケーションを達成する狙いがあります。
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