3、検索要領と重要ポイント

屋内進入後に下の隊員や小隊長に進入完了の合図を与え、濃煙で視認できない場合は、左手を壁伝いに要救助者の検索を開始します。要救助者を発見した場合は、できるだけ玄関や勝手口など脱出が容易な場所から搬出します。

一般家屋火災の場合に逃げ遅れ者が多いのは寝室、居間、炊事場、風呂の順です。ケースバイケースですが、視認性がある場合は検索の優先順位を決めてもいいかもしれません。

また、救出隊と消火隊のコンビネーションチームワークはとても重要ですので、お互いにどのような活動状況かを無線により、情報交信しながら検索活動を進めます。

FIRECRAFT PRODIUCTIONS (出典:Youtube)

今回ご紹介した火災防御戦術訓練の一例は、いかに具体的にシミュレーションし、活動上に起こり得るさまざまな障害や危険要素、それらの対応策などをできる限り上げながら、実際に現場で何が起こっても想定内として対処できるようになるまで行うため、想定に変化を持たせれば終わりのない訓練となります。

また、障害物競走のようなコースや難関を作り、訓練を行うとサーキット訓練のように火災防御訓練と体力訓練を同時に行えると思いますので、廃材などを活用して作ってみられると楽しく訓練できると思います。

いかがでしたか?

近年、全国的に火災件数は減っていますが、今年に入って高齢者宅の火災による死亡件数が増えています。また、夕方から明け方にかけての夜間の火災が多いことから、投光器や発電機、ヘルメットライト、携帯ライトなどの照明器具の準備も必要になってきます。

どうぞ、管轄内の高齢者に「鍋のかけ忘れに注意!」「暖房器具の安全な使い方」など、わかりやすい消防広報を行ってお年寄りを火災から守ってあげて下さい。


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
代表理事 サニー カミヤ
http://irescue.jp

(了)