動物を自分に置き換えて考えてみる

■この映像を見ながら、猫に自分の心身を置き換えてみてください


 GoPro Awards: Frozen Kitten Lives (出典:Youtube)

何らかの原因で雪に埋もれて、仮死状態だったと思われる猫は、幸運にも、たまたま遊びに来た家族に見つけられ、1時間以上のCPR(心肺蘇生)で無事に命を取り戻しました。

この猫を助けた人は、医者でも獣医でもない一般人。特に救急法を学んだこともなく、ただ、猫の状態を見て、暖めた方が良いと判断して急いで暖炉の前に連れて行き、猫の心臓の大きさを考えて両手の親指を使った必要な圧力とリズムで心臓マッサージを開始し、あきらめずに継続しました。

やさしい人との出逢い、暖かい部屋とたゆまない心臓マッサージ、そして、家族全員が送る猫への「がんばれっ!」という気持ち、そして、励ましの声、そのすべてが調和となって、この猫の心臓が再び動き出したことを感じます。

このようなビデオはYouTube上にたくさんありますが、映像を見ながら、助かったペット側の心身になってみると、救助者になったときに何を最初にするべきかを自動的にわかるようになると思います。

イタリア大地震では災害救助犬が16日間で約900頭のペットを救出

■イタリアの大地震で救出された動物たち


Cat Survives Being Trapped Under the Italy Earthquake Rubble For Five Days. (出典:Youtube)

今年8月24日に発生したイタリア中部地震(M6.2)では、災害救助犬によるペットの捜索が行われ、地震から5日間で約300頭の犬と猫が救出され、16日間で、計約900頭のペットが救出されました。

考えてみれば、前回ご紹介したように犬の感性を借りれば、大災害時における、災害救助犬の活用は、人命救助はもちろん、ペットレスキューにも役立つと思います。

今まで、災害救助犬は主に人を見つけるトレーニングをしてきましたが、捜索中、倒壊建物の下敷きになっている犬や猫、小動物の助け声を無視できず、救助員に伝え、救助員は救助犬の能力を信じて、場合によってはショベルカーやクレーンでがれきを掘り起こして救助したようです。

そして、救助活動を行った消防士達は、地震発生時、家の間取りを飼い主に聞いて、ペットたちがどのような場所に逃げ込むかを想像し、「洗濯機の裏に逃げたのかも」「奥の部屋のタンスの後ろかも」など、優先的にいつも隠れるところから探したそうです。

この映像を使って、猫が挟まっている身体を自分に置き換えて、建設機械のの音や、ボロボロとこぼれ落ちてくるコンクリートの破片、救助者達の声を想像してみてください。そうすることで、必要最小限の建設機械の使用、あまり音の出ない救助資機材の選定、怖がらせない救助手順、2次災害の予防(余震による再倒壊)を考え、救助活動を行えると思います。