すべてのペットレスキューに通じる“擬人化”テクニック
イタリア大地震では災害救助犬が16日間で約900頭のペットを救出
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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こんにちは。サニー カミヤです。このコラムでは、「すべてのペットレスキューに通じる“擬人化”テクニック」をご紹介いたします。
ペットレスキュー時における擬人化テクニックとは、助けが必要な動物の現場環境、事故経緯、感覚、感情、願望などを消防士が感じ取って、自分の心身に置き換えて、救助方法の手順を決めたり、必要な装備をそろえるなど、レスキューのヒントにする手法です。
「だって、動物と人間は違うのにどうやって“擬人化”するの?」と思われる方もいると思いますが、私の過去の現場経験からも、要救助者の状態を自分の心身に置き換えたことで、捜索活動や救助活動をスムーズなったことを何度も体験しています。
また、助ける相手が人間であろうとペットであろうと、自分の心身を使って共感してみることで、逃げ遅れた場所や閉じ込められているところ、身体の状態を予知することができることが知られています。
わかりやすく言うと下記のような感じです。
・自分が猫や犬だったら、大地震や大水害発生時、どこに逃げるだろうか?をイメージしてみる。
・動物がどこかに挟まっていれば、その挟まっている感覚(痛みや圧迫等)や不安、怖さを自分の心身に置き換えてみる。
・身動きがとれなくなって、消防隊が駆けつけている声、サイレンの音やフル装備の人たちが近づいてくる様子を要救助動物側から感じてみる。
・動物が求めている感情を感じてみる。たとえば、飼い主が近くにいないことやずっと孤独に生きてきたことなど。
・安心できる言葉のトーンやアプローチ、そして、顔の表情など。
人間のレスキュー時でも同じですが、相手の心身を自分に投影することで、言葉は話せなくても、また、その動物を飼ったことがなくても、どうすれば痛みや不安が少なく、助けてあげられるか?を一瞬にして感じ、無事にレスキューできる可能性が高くなると思います。
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