ライブ映像をリアルタイムに確認

拠点の被害、道路状況や交通機関の運行状況などを含めたさまざまな情報を地図上に書き込めるようにもなった。もちろん画像も表示できる。情報の書き換え、更新も自在になった。さらに、物流が事業の中核になっている鈴与にとって、最重要地点である清水港に設置する無人カメラのライブ映像をBousaizに取り込めるメリットも大きいとも後藤氏は説明する。

クラウドサービスで提供されるBousaizについて「優れた点は誰でもパソコンやタブレット、スマートフォンでリアルタイムに情報を確認できるところ。インターネットにつながりさえすればどこにいても情報を引き出せる。社長が別の場所にいたときに、ここに集まった情報を電話だけで伝えられるでしょうか。Bousaizなら同じ地図画面を見ながら報告できます。電話だけのときと比較にならないほど情報を齟齬なく伝えられます。そしてトップも被害の大きさと範囲をイメージしやすくなり、正確に状況把握できるわけです」(後藤氏)。

グローバルに展開する同社のトップが、常に国内にいるとも限らない。それは危機管理委員会のメンバーを含めても同じことだ。だからこそ、情報を迅速に収集して整理し、被害の全体像をいち早くつかむ手助けになり、クラウドでどこでも情報を共有できるBousaizが同社では採用されたのだ。

現在、鈴与が登録している拠点は約250。海外拠点も含め、グローバルな体制で利用していく予定だ。

鈴与株式会社
200年を超える歴史と140余社のグループ会社で、物流・エネルギー・建設・食品・情報・地域開発、さらにフジドリームエアラインズをはじめとする航空など、幅広い分野で事業を展開。
■本社:静岡県静岡市清水区入船町11-1
■事業内容:総合物流事業
■従業員数:1,055名 ※平成28年2月度(グループ全体/約1万人)
■事業拠点:国内110拠点、海外20拠点
 

 

鈴与株式会社 危機管理室 室長 後藤大輔氏
東海大学海洋学部を卒業後、海上自衛隊に入隊。
護衛隊司令、護衛艦等艦長、護衛艦隊司令部訓練担当幕僚、地方総監部の防衛・警備、防災担当幕僚などの要職を歴任。自衛隊定年退職後、平成24年4月に鈴与株式会社に入社。現在、鈴与グループの危機管理を統括する危機管理室長として、グループの事業継続体制の強化・推進に従事。

 


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