エンドポイントによるホワイトリスト制御:制御デバイスを監視・制御するマネージメントアプリケーションは、汎用のOS上で動作するものが多数あります。現在、各セキュリティ製品メーカーから限定的なアプリケーション動作のみを許容するエージェント型の製品がリリースされています。

一般的なアンチウイルスなどのソフトだと、パターンファイルなどをインターネット上から更新しなければなりませんが、このタイプのソフトであればその必要はありません。ホワイトリストの決定に関しては大きく2つあります。 

(1)管理者が手動でホワイトリストを決定するもの
(2)一定期間、OS上で動作するプロセスなどを学習し、それをホワイトリスト対象とするもの

プロセスID、レジスターなど、製品により何をホワイトリストの検知対象とするかは製品によって異なります。

ゲートウェイによるホワイトリスト制御:ゲートウェイを通過する通信をホワイトリストの対象として限定する制御方式です。最近のUTM・ゲートウェイメーカーで搭載されている機能の一つです。タイプも製品によってさまざまです。簡易的なものはL4:UDP/TCPのポート番号を指定するのみであり、複雑なものはアプリケーションレイヤーのメッセージタイプまで識別ができます。こちらもホワイトリスト対象の決定はエンドポイントと同様で、マニュアル設定、もしくは自動学習による設定で行います。

通信モニタリングによるセキュリティ監視:最近の通信モニタリング製品は制御システムプロトコルの内容を解析し、その結果から不審な通信・デバイスを特定することができます。システム内部からのハッキング通信等は、モニタリングによる監視が有効です。そしてSDNと連携することにより、不審な通信や脅威となるデバイスに対して隔離等の制御を行うことができます。

エッジネットワークによるホワイトリスト制御:エッジネットワークに接続する制御デバイスと物理的な接続ポートの関連をホワイトリストの対象として限定する制御方式です。SDNで管理する場合にはSDNコントローラーの指示により、一元管理されます。こちらもホワイトリスト対象の決定は他と同様で、マニュアル設定もしくは自動学習による設定で行います。ホワイトリストの対象に入っていない端末が許可なくシステムネットワークへアクセスを試みた場合、その通信を遮断するとともに、アクセスした場所などを管理者に通知します。

SDNネットワークによる統合管理:これはアライドテレシスのSDNソリューションの固有機能になりますが、各種セキュリティ製品のイベントログをSDNコントローラーに通知することで、異常が発生している場所を管理者や監視システムに通知することができます。また、エッジネットワーク配下にどのような制御デバイスが接続されているかを探索する機能も搭載しています。運用開始前にSDNコントローラーから複数のエッジネットワーク機器に対して一斉に探索コマンドを送信し、現状の接続状態を管理者に見せることが可能です。下記に利用イメージ記載します(ビルの制御システム対する応用例)。

このように、さまざまなセキュリティ製品をSDNと連携させることにより、制御システムに対して強靭な多層化防御を行うことができます。今回ご紹介したSDN連携に関して、アライドテレシスは2018年に数多くの活動を行っています。各連携等の内容はアライドテレシスのニュースリリース(2018年)に記載されていますので、ぜひご覧ください。

https://www.allied-telesis.co.jp/news/2018?news_taxonomy=solutions

次回は「あなたの会社、システムは大丈夫?」というテーマで課題を取り上げ、その課題を解決する対策、脆弱性診断に触れていきたいと思います。

(了)