実際に情報インシデントが起きた想定演習
流れやポイントを押さえましょう
中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
2019/10/07
企業よ、サイバーリスクに備えよ
中島 豊
1998年にアライドテレシスに入社。ネットワークスイッチの開発経験を経て、マーケティング部門に異動。VoIP、データセンターネットワーク機器企画を行った後、企業向けSDNの新企画(Secure Enterpise SDN)を立ち上げ、現在のサイバーセキュリティ戦略室で邁進中。
実際の事件が起きた時の想定演習というと、皆さんの周りでは避難訓練、防災訓練などを思い浮かべるでしょう。「ビルのXX階で火災が発生しました。速やかに避難を開始してください」といったアナウンスと同時に避難行動を開始するものです。
このような演習は、サイバー攻撃に関しても存在します。政府機関、金融機関、および重要インフラ関係の企業では実際に行われています。さまざまな役職や役割の方がアクションを起こし、関連企業などと連絡を取り合いながらサイバー攻撃に対する対応を実際に行う演習です。前回の投稿では、このような演習がインシデント発生時に効果をもたらすといったお話をしました。今回はその演習がどのように作られ、実践されるのか、その内容に関してご紹介していきます。
サイバー攻撃演習を効果的に行う重要なポイントは“より現実的であること”です。“現実的”な内容を演習に取り入れるため、以下の3点を現実と同様にする必要があります。
(1)演習対象の組織、関連会社、人名など:実在の名称を利用
(2)サイバー攻撃の種類:実在するマルウェア、DDoS攻撃などを想定
(3)サイバー攻撃の対象システム:実在するシステムに対する影響を想定
演習を行うには上記のポイントに十分な時間をかけ、ヒアリングを行ってから、演習シナリオを作成します。
実際の部署や名称を使うことこそ重要で、これにより担当者および管理者が実際にサイバー攻撃を受けても、迅速に対応ができるようになります。そしてまた、攻撃対象のシステムが同じでもサイバー攻撃の種類によって対応が異なるので、さまざまな演習シナリオを実施しなければならないのがサイバー攻撃演習の特徴です。
企業よ、サイバーリスクに備えよの他の記事
おすすめ記事
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方