E:Exposure(全身観察)の評価と処置 
ヘルメットのストラップや衣服のボタン、ベルトを緩めます。全身を観察する為に脱衣(Exposure)させますが、このときプライバシーにも十分配慮します。熱はないでしょうか? 異常に手足が冷たくないでしょうか? 周りの環境や状態に応じて保温(Environmental Control)につとめます。また、周りで見ていた方にいつからどのようになったのかを聴き、何か持病がなかったかについて産業医や健康管理センターに問い合わせます。こうして追加情報(Extra Information)を集め、救急隊や医療担当者へ申し送ります。

F(family:家族)
工場内の医務室で休んだのちに帰宅可能になったとはいえ、ひとりで帰宅させても大丈夫でしょうか?  医療機関へ搬送する場合は家族の付き添いが必要です。家族しか知らない重要な健康上の問題があるかもしれません。できるだけ早く家族へ連絡しましょう。

まとめ 
急病人に対するABCDE(F)アプローチについて概説しました。生命を維持するために必要な酸素の流れに沿って順番に系統立てて見ていくことで、見落とし無く重症かどうかを判断し、どこに異常があるのかを評価する事ができます。

(了)