低コストも魅力

安平町では「被災した農家世帯に少しでも早く暖かい家で暮らしてほしい」と、12月4日、全7戸供給予定のトレーラーハウス型仮設住宅のうち3戸分を被災者の農家世帯に提供した。同町建設課は「被災した畑作農家世帯は、被災から3カ月傾いたままの家に我慢して住み続けていた方もいる。今後年内には全戸を完成させ、1日も早く温かい家に移り住んでもらいたい」と完成を急ぐ。

トレーラーハウス型仮設住宅の内部(画像提供:日本RV輸入協会)

トレーラーハウス型の建物はツーバイフォー工法。軽量鉄骨造のプレハブ型仮設住宅と同等。玄関には風除室も備える。窓は二重、断熱材を厚くして新省エネ基準を満たす。完成車両を持ち込むため、現地工事は上下水道・電気・ガスの各配管を接続するのみ。工期は数日~数週間で完了する。またプレハブ型の場合、建築費のほかに2年後には別途解体費用がかかるが、トレーラーハウス型は2年後は返却を基本としながら、希望があれば、被災者が買い取って住み続けることも可能。また町が買い取り、平時は簡易宿泊施設として移住支援や長期滞在型観光にも活用しながら、災害時は再び仮設住宅としても利用できる。

コストは北海道庁建設部によれば、プレハブ型が戸あたり約1200万円(建築・造成費含む)に対し、トレーラーハウス型が約340万円。安平町建設課では「今回トレーラーハウスの個別供給を認めてもらえたことは、今後北海道内で災害が起きた場合にもよい前例ができた。ただトレーラーハウスは供給量が限られているのが難点。今後の解決されることを期待したい」と話している。

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(了)

リスク対策.com :峰田 慎二