検証委員会を設置し改善へ

9月30日に関西地方に最接近した台風24号では、関電は28日の午前9時に非常災害対策総本部を設置。延べ約12万軒の停電があり、完全復旧は10月2日の午後5時30分。21号の反省から、停電情報システムのサーバーやコールセンターを増強、自治体へのリエゾンも増やして対処した。

台風21号を受けて関電では検証委員会を立ち上げて、検証を続けている。特に発災から16日後となった復旧についてはもっと早くできなかったかという視点から、作業の短縮化やより災害に強くなるよう設備の改善も検討している。無電柱化も含め、費用や防災面から見て適切な方法で進めていく方針。またコールセンターのパンクがあったことから、復旧状況や見通しといった情報発信など顧客対応や自治体との連携の改善も進めていく。

関電では技能訓練のほか、自衛隊とも協力した人員や物資の輸送訓練も実施。ホバークラフトで電源供給車も運べ、その電源供給車を動かすための仮設のガソリンスタンドも設置できる。北海道胆振東部地震で起こったブラックアウトについては発電所ごとの発電量のバランスに配慮しているほか、営業エリアが本州にあり他地域の電力会社との融通も比較的容易なことから、可能性は低いという。「相次ぐ台風のほか南海トラフ地震も想定されており、停電ゼロは難しいが、当社の使命は安定的に電気を届けること。過去の教訓をふまえ、設備を強化して停電を減らし、停電時には1分1秒も早い復旧を目指す」と坪田氏。今後も災害対策を進めていく。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介