【ソウル時事】韓国空軍は6日、北朝鮮との南北軍事境界線に近い京畿道抱川市で、訓練中のKF16戦闘機2機が誤って民家がある地域に爆弾8発を投下したと発表した。消防によれば、現場は地方の農村で、住宅5棟や教会、車などが破損。2人が重傷、13人が軽傷を負った。
 空軍によると、午前10時(日本時間同)すぎ、米韓両軍が陸上と空中で「合同火力実射撃訓練」を行っていたところ、韓国空軍の戦闘機が投下したMK82爆弾8発が射撃場の外に落ちた。空軍は「民間に被害が出て申し訳なく思う」と謝罪。「被害補償など必要なあらゆる措置を取る」と表明した。不発弾はなかった。
 聯合ニュースは、爆風で住宅の屋根瓦が落ち、窓ガラスが割れるなどの被害があり、「戦場をほうふつとさせた」と報じた。70代の住民は「家の中でテレビを見ていたら突然雷のような爆音が聞こえ家が揺れた。外に出たら周りがめちゃくちゃになっていた」と語った。
 軍関係者によると、事故原因はパイロットが目標の座標設定を誤った「人的ミス」とみられる。空軍は参謀次長をトップとする事故対策委員会を設置し、原因の調査を進める。
 韓国メディアによれば、軍は事故原因の解明まで砲撃や射撃の訓練を全面的に中止する方針を決めた。米韓両軍は10日、朝鮮半島有事を想定した定例合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を開始する予定で、影響が懸念される。 
〔写真説明〕6日、韓国京畿道抱川市で、韓国軍の戦闘機から爆弾が落下した現場付近(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)