岩手県大船渡市の山林火災は、2日も延焼が続き、焼失面積は前日の約1400ヘクタールから約1800ヘクタールに広がった。市が出した17地区(1896世帯4596人)への避難指示は継続され、午後6時時点で学校の体育館などに1196人が身を寄せた。火災発生から5日目となったが、鎮火の見通しは依然立っていない。
 消火活動は、自衛隊の大型ヘリ6機をはじめ、北海道、東北各県の防災ヘリなど前日より1機多い計13機で空中から散水を実施した。地上からも消防隊員らが放水を行った。
 地元消防は鎮火が難航している理由について、現場は勾配がきつく延焼しやすい地形である点や、山林に燃えやすいスギが多い点を指摘。強風が続いていることや、延焼が広範囲に及んでいることなども挙げた。同市では2日も強風注意報が出され、乾燥注意報も継続された。
 市は小中学校の体育館や公民館など、福祉避難所を含め計11カ所に避難所を設置。過密状態になりつつあることから2日午後、学校1カ所を新たな避難所とした。
 火災は2月26日午後発生し、同市三陸町綾里で男性1人の焼死体が見つかった。家屋など84棟が焼損したとみられるが、詳しい被害状況は調査できていない。 

(ニュース提供元:時事通信社)