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帝国データバンクが昨年11月に公表した企業統計によると、2024年7月時点で台湾に進出する日本企業は2988社で、2022年の3124社に比べて4.4%あまり減少した。この減少には、台湾を巡る政治的緊張が影響していると考えられる。台湾と中国の関係は長年にわたる緊張状態にあり、2022年8月には当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問し、その後中国は台湾本島周辺で大規模な軍事演習を実施した。この軍事演習では、中国から複数の弾道ミサイルが発射され、その一部が日本の排他的経済水域に落下したことがあり、これを契機に台湾有事に対する懸念が急速に高まった。この出来事を受けて、台湾に拠点を構えている日本企業の間でリスク回避の動きが強まったことは間違いない。

そして、台湾に進出する日本企業は今日、トランプ政権の台湾政策の行方を注視している。トランプ政権の発足から1カ月となるが、トランプ大統領は得意のトランプ関税で諸外国に混乱や動揺を与え、ウクライナ戦争の終結に照準を合わせており、まだ具体的な台湾政策は明らかになっていない。しかし、これまでの言動や政策思考から、以下のようになることが考えられる。

まず、トランプ大統領は昨年の選挙戦を通じて台湾に対して不満を表明しており「台湾は防衛費をもっと増額すべきだ」や「台湾は米国から半導体産業を奪った」といった言動が見られた。NATO加盟国に対しても防衛費増額を求め、「増額しなければ、米国はロシアによる軍事的脅威から守らない」と発言し、同盟国の間で反発や動揺が広がった。これを踏まえると、台湾は正式な米国の同盟国ではないため、トランプ政権が台湾を軽視し、その結果として中国からの軍事的威嚇が強まるといったシナリオも排除はできない。