危機発生時における広報の鉄則
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改善の方法を提案することが大切です
前回「トップのメディアトレーニングは必要」と書いたことから、質問がいくつか来ました。「広報がメディアトレーニングしたくても社長が嫌がるんですよ。いい方法はありませんか?」「社長をどう説得したらいいですか?」。皆さんも同じ悩みを抱えていると思いますので、今回はいくつか解決策をお話したいと思います。
2019/11/21
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記者からの質問に適切に答えられますか?
注目の記者会見があると、報道関係者から会見についての解説依頼が私に入ります。記者会見のプロがいることに彼らが気付き始めたからです。最近であれば、関西電力の記者会見について解説をしましたが、話の組み立てや回答から彼らはトレーニングを受けていないと感じました。皆さんは、メディアトレーニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。私はこのトレーニングのプロで20年近くの経験があります。一方、2015年、東証と金融庁は、コーポレートガバナンスコードの中に「取締役・監査役のトレーニング」の必要性を明記しました。私は取締役こそ、メディアトレーニングを含めるべきだと考えています。今回はトレーニングの必要性について解説します。
2019/10/18
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「私は〇〇をして責任を取ります」
18年前、私がリスクマネジメントを勉強し始めたときに、ある金融機関の広報部長がこうつぶやきました。「ああ、大変な時代になった。前は責任なんか取らなくてもよかったのに、今は責任を取らなくてはいけない時代になった。生きにくいよ」。この言葉はいつまでも違和感として私の中に残りました。「責任を取らなくていい時代なんてあったのかな?」と。以来、責任とは何か、と考えながら不祥事の結末を追いかけるようになりました。今回は、経営責任の取り方について考えてみましょう。原稿を書き始めたら、日産の西川社長の辞任ニュースが飛び込んできました。皆さんと一緒に考えるちょうどよいテーマとなりました。
2019/09/19
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「法的に問題ない」「仕方がない」「大したことない」
平時では聞き流される言葉でも危機時には誤解を生む、批判の対象となる危険性のある言葉を「危機時のNGワード」と定義しています。本コラム読者の方から「NGワードを解説してほしい」という要望もありましたし、頻繁に質問もされるので今回はこのNGワードについて解説します。
2019/08/20
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社員がテロに巻き込まれた場合の広報
2001年からさまざまな不祥事報道をクリッピングし、危機管理広報の失敗事例を集めています。似たような失敗が繰り返されるので、パターンをまとめています。何でも3つにまとめると覚えやすいので、ここでも3つにしました。「タイミング」「公表方法」「表現」です。今回はこの失敗パターンについて深堀してみましょう。
2019/07/18
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失敗の3つのパターン
2001年からさまざまな不祥事報道をクリッピングし、危機管理広報の失敗事例を集めています。似たような失敗が繰り返されるので、パターンをまとめています。何でも3つにまとめると覚えやすいので、ここでも3つにしました。「タイミング」「公表方法」「表現」です。今回はこの失敗パターンについて深堀してみましょう。
2019/06/10
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酒井法子さんの謝罪会見に学ぶ6つの要素
自らの不手際や不備により、謝罪をしなくてはいけない場合がありますが、どのように謝罪すれば気持ちが伝わるのかは、案外分からないものです。最近、AAAの浦田直也さんのふらさがり会見について解説を求められ、「声のトーンやせわしない動き」の問題点を指摘しました。そこで思い出したのが、2009年に覚せい剤取締役法違反容疑で逮捕され、保釈されたその日に記者会見を行った酒井法子さんです。私も当時、テレビでこの会見について解説しました。少し古い事例ですが、謝罪が伝わる内容でしたので今回取り上げることにしました
2019/05/06
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広報が連携して謝罪する手もある
2017年、2018年は、大手メーカーによる品質データ改ざんなどの不正問題が相次ぎ報道されました。2006年、2007年にも産地偽装、賞味期限改ざんといったことが起こりました。「うちの業界にも、こうゆう悪い慣例があるな」と思った方は多いのではないでしょうか。今回は、このように業界全体が長年慣習として行ってきたことが突然不正として発覚してしまった時の対応について考えてみましょう。
2019/04/10
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2時間以内に最初の情報提供をしなさい!
記者は直後から殺到します! イラスト:フォトライブラリーある大手部品メーカーの工場で正午に火災が発生しました。直後から報道各社の記者が一斉に取材に動き出し、17時に同社では謝罪文を配布、記者会見が行われたのが21時という事例があります。
2019/03/14
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3つの原則を覚えるだけで対応が劇的に変わる!
リスクマネジメントというと、専門的な用語に聞こえるかもしれませんが、要は、危機を予測し、できるだけその影響を受けない、あるいは小さくすることの活動です。これに対して、危機が発生したときにダメージを最小限に抑えるための活動をクライシスマネジメントというような言い方をしますが、実は、危機の発生直後は、当事者でさえ何が起こっているのか情報を正確に把握できないことが多いものです。たとえば、某食品会社で食中毒事件が発生したとき、総務部の社員でさえ、何が起きているのかまったくわからなかったそうです。そこで役に立つのが「危機管理広報」です。
2019/03/07