消防現場において、ペットに対して救急救助活動を行う根拠について

ペットたちも、救助を待っています(出典:petsaver)

法律の専門家に確認したところ、法律上、ペットは共有財産(共有動産)または、特有財産(特有動産)であり、災害により被災したペットは、消防法第1条の目的の「火災からの保護、災害による被害の軽減」の対象になるとのこと。

消防法 ( 目的)

第1条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び【財産】を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。


また、日本以外の先進国のほとんどでは、消防機関がペットの救助や応急処置を行うことが、消防法や災害対策基本法や動物愛護法、市町村条例などに明記されています。

特に、ペットレスキュー先進国のアメリカでは消防士、救助隊員、救急隊員のための動物救急救助トレーニングコース、BART(Basic Animal Rescue Training)が全米の常備と非常備の消防士約100万人に対して、2004年から、具体的なペットレスキュートレーニングを開始しています(http://basicanimalrescuetraining.org/)。

さらにイギリス、カナダ、フランス、ドイツなど、世界の消防界におけるグローバルスタンダード(国際基準)では、どのような災害現場においても、人命救助が最優先であるが、その次に、ペットの応急処置、救助、救命活動が行われています。

そういった近年の世界的な消防事情や日本のペット社会背景からしても、日本の消防が災害現場において、ペットを救助したり、応急処置をしたりすることは、法的な正規の行政サービス内の行為だと受け取られると思います。

ペットが急増している現在、早急に消防士のためのペット・レスキュー・トレーニングの必要性が増してきていると感じますので、「消防関係者のためのペット救急法」をご紹介し、ぜひ、日本の消防士の方々に現場で、もし、ペットが心肺停止だったらCPRを、やけどしていたら応急処置を、骨折していたら副子を当てるなどの救急処置をしていただけたらという願いから、書かせていただくことになりました。