【ニューデリー時事】インドのモディ首相は12日、トランプ米大統領との首脳会談に臨むため、訪問先のフランスから米国に向け出発した。会談では「公正な貿易関係」を求める米国との摩擦を回避するため、関税引き下げのほか、エネルギーや防衛装備品の調達拡大を提案する可能性がある。
 「(米印)両国の協力関係をさらに向上させ、深める行動計画を策定する機会となる」。モディ氏は外遊に先立つ10日の声明で、そう強調した。米国訪問は13日まで2日間の予定。
 ロイター通信は複数の政府筋の話として、インドが米国からの輸入を促進するため、電子部品や医療機器、化学薬品といった10以上の分野で関税引き下げを検討していると伝えた。インドにとって米国は最大の輸出相手国。インド商工省によると、2023年の貿易総額は約1200億ドル(約18兆4000億円)で、約312億ドル(約4兆7900億円)の対米黒字だった。
 首脳会談では、米国からの戦闘車両調達や戦闘機用エンジンの共同生産も話し合われる見込み。米側には、インドをロシア製兵器への依存から脱却させ、自陣に引き込みたい狙いもある。 
〔写真説明〕11日、訪問先のフランス・パリで、会合に出席するインドのモディ首相(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)