2025/01/20
防災・危機管理ニュース
大阪市生野区の路上で2018年、聴覚支援学校小学部5年の井出安優香さん=当時(11)=が重機にはねられ死亡した事故で、遺族が運転手側に計約6100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、大阪高裁であった。徳岡由美子裁判長は、井出さんが将来得られたはずの「逸失利益」について「全労働者平均賃金から減額をする理由はない」として、健常者と同等の計約4300万円の支払いを命じた。一審大阪地裁は逸失利益を平均賃金の85%と算定し、賠償額を計約3700万円にとどめていた。
弁護団は、聴覚障害児の逸失利益を健聴者と同等と判断した判決は「初めてではないか」としている。
徳岡裁判長は、井出さんは両耳に難聴の障害があったものの、補聴器を使えば通常の会話を聞き取ることができたと指摘。「聴力障害があっても、健聴者に劣らない能力を発揮できた」と認定した。
その上で、障害者差別解消法などの法整備や、音声認識アプリといった技術的進歩により、支援学校や大学を卒業した後は「健聴者と同じ条件で働くことができたと合理的に予測することができる」と結論付けた。
判決などによると、井出さんは18年2月、支援学校から下校中、歩道に向かって暴走してきた重機にひかれ死亡した。運転手の男はてんかんの持病があり、意識障害に陥る恐れがあったにもかかわらず、運転していた。
判決後に記者会見した父努さん(52)は「奇跡が起きた」と涙を浮かべた。
〔写真説明〕事故で死亡した聴覚障害児の逸失利益を巡る訴訟の判決後に記者会見する父、井出努さん=20日、大阪市
(ニュース提供元:時事通信社)

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