【ベルリン時事】ドイツ東部ザクセン・アンハルト州の州都マクデブルクで20日夜(日本時間21日未明)、クリスマスマーケット(市場)に車が突っ込み、訪れていた人々を次々とはねた。子供を含む5人が死亡し、200人以上が負傷。独メディアによると、重傷者は100人を超えている。運転手はサウジアラビア出身の医師の男(50)で、直後に拘束された。薬物を使用していたとの情報もあり、捜査当局は詳しい事情を調べている。
 車は屋台が立ち並ぶ客の密集エリアに突入し、400メートル程度走行した。単独犯とみられるが、犯行の背景は分かっていない。在独日本大使館によると、邦人が巻き込まれたとの情報はない。
 拘束された男は2006年からドイツに住んでいた。精神医学が専門で、依存症患者の矯正施設で勤務。独紙ビルトは拘束後、警察による初期の薬物検査で陽性が出たと報じた。
 サウジアラビア難民の支援者として知られ、最近はSNS上でドイツの難民政策に対する批判が目立っていたという。一方、過去に独紙のインタビューで自らを「最も攻撃的なイスラム批判者」だと説明していた。 
〔写真説明〕20日、ドイツ東部マクデブルクで、車が次々と人をはねたクリスマスマーケットの現場に駆け付けた救急隊員ら(EPA時事)
〔写真説明〕21日、ドイツ東部マクデブルクで、前日に車が突っ込み屋台が閉鎖されたクリスマスマーケット(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)