経済産業省が次期エネルギー基本計画の策定に向けて試算している電源別の発電コストで、液化天然ガス(LNG)を燃料とした火力発電が原発よりも割高になると想定していることが12日、分かった。LNG燃焼時に排出される二酸化炭素(CO2)への対応費用の増加などを見込む。コスト試算は、次期計画で掲げる2040年度の電源構成を設定するための材料となる。
 LNG火力は、21年の現行計画策定時のコスト検証では最安とされていた。しかし、その後のロシアによるウクライナ侵攻に伴い、LNG価格が高騰している。今回の検証では燃料高を発電コストに反映させるほか、CO2の排出量取引の費用も算入する。また、原発は安全対策の費用が増える一方、事故のリスクは低下すると見込む。
 政府は次期計画の素案を来週にも示し、40年度の電源構成で火力の割合は3~4割、原発は2割とする方向だ。火力はLNGの安定した調達の重要性を強調し、脱炭素化のため水素・アンモニア燃料などの活用も盛り込む。原発については再生可能エネルギーとともに脱炭素電源として最大限活用する一方、特定の電源に過度に依存しない方針も打ち出す。 

(ニュース提供元:時事通信社)