【イスタンブール時事】内戦下のシリアでアサド政権への攻勢を強める反体制派勢力は5日、SNSで、政権軍との攻防が続く中部の要衝ハマについて「市内へ多方面から進攻し、市中心部に向かっている」と主張した。ハマを支配下に置く政権側は大規模増派と空爆などで反撃して死守する構えで、戦闘が一段と激化する恐れがある。
 政権側は5日、国営メディアを通じ、ハマ郊外で「武装テロ組織と激しい戦闘が起き、人命と装備に多大な損害を与えている」と誇示したが、市内への進攻は認めていない。在英のシリア人権監視団は「反体制派がハマ北方約4キロまで迫り、3方面から市を包囲した」と伝えていた。
 反体制派は既に北部アレッポをほぼ制圧。その後は北西部イドリブ県全域など支配地域を徐々に広げながらハマを目指して南下した。人権監視団によると、一連の衝突による死者は720人を超えた。 
〔写真説明〕4日、シリア中部ハマ郊外で、多連装ロケット砲を発射する反体制派勢力(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)