雑誌の原稿や写真撮影を請け負うフリーランスのライターらへの原稿料などを著しく低く定めたとして、公正取引委員会が近く下請法違反(買いたたき)で、出版大手「KADOKAWA」(東京都千代田区)と同社子会社に再発防止などを勧告する方針を固めたことが8日、関係者への取材で分かった。

 子会社は雑誌「レタスクラブ」などの出版を手掛ける「KADOKAWA LifeDesign」(同)。

 関係者によると、KADOKAWA側は2023年1月、レタスクラブの記事を執筆するライターや写真を撮影するカメラマンら下請け業者に対し、同誌4月号の掲載分から原稿料などの引き下げを一方的に通告した。フリーランスを含む20以上の業者が対象になった。 

 KADOKAWA側は利益の確保を図ろうとしたとされる。一方、立場の弱いライターらは仕事を失う懸念もあり、KADOKAWA側の要求を受け入れざるを得なかったとみられる。KADOKAWA側は勧告を受け、不当に引き下げた分の代金を支払うことになり、総額は数百万円に上る可能性がある。

 組織に属さず働くフリーランスの保護を巡っては、契約内容の明示を義務付けることなどを盛り込んだ新法が今月1日に施行された。ただ、今回の違反は施行前の事案のため、下請法が適用された。(了)

ニュース提供(時事通信 2024/11/08-10:25)

(ニュース提供元:時事通信社)