【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は17日、来週開幕するIMF・世界銀行年次総会に先立ち、IMF本部で演説し、世界的な高インフレは落ち着いたとの見解を表明した。また、次の経済的なショックに備えるため、債務を圧縮し、財政余力をつくり出すよう各国政府に要請した。
 ゲオルギエワ氏は「世界的なインフレの大波が後退した」と指摘。各中央銀行の金融引き締めやサプライチェーン(供給網)の目詰まり解消、食料・エネルギー価格の低下により、「物価は安定に向かっている」との見方を示した。
 一方、世界では低成長と高債務という「許されない組み合わせ」の到来が予測されていると警告。次のショックは「必ず、おそらく想定よりも早期にやってくる」と述べ、「大半の国で財政を緩やかながらも着実に健全化する必要がある」と訴えた。 
〔写真説明〕演説する国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事=17日、ワシントン

(ニュース提供元:時事通信社)