2024/10/11
防災・危機管理ニュース
【ニューヨーク時事】イスラエル軍が10日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に発砲したことに国際社会から非難が殺到している。イスラエル軍は「発砲前に安全な場所にとどまるよう指示した」と釈明し、イスラム教シーア派組織ヒズボラが近くで活動していたと攻撃を正当化した。
イスラエル軍の戦車は10日、レバノン南部ナクラにあるUNIFIL本部の監視塔を砲撃。インドネシア国籍の隊員2人が病院に搬送された。UNIFILは声明で、命に別条はないとしながらも「平和維持部隊へのいかなる意図的な攻撃も国際人道法違反だ」と抗議した。
UNIFILは11日の声明で、ナクラの監視塔近くで同日も爆発があり、2人が負傷したと発表した。イスラエル軍はこれに関し、標的に向け攻撃したが、約50メートル離れたUNIFILの拠点に着弾したと説明した。
10日に開かれたレバノン情勢を協議する国連安全保障理事会の緊急会合には、関係国としてインドネシアも参加。「容認できない」と糾弾した。中国やフランスなども厳しく批判し、米国は「深い懸念」を表明した。
このほか、インドネシアに次ぐ主要な隊員派遣国イタリアのクロセット国防相は10日、記者会見し「戦争犯罪に該当する可能性がある」と主張。イスラエルのガラント国防相に抗議したことを明らかにした。中国外務省の毛寧副報道局長は11日の記者会見で、イスラエルに「深刻な懸念と強い非難」を示すと強調した。
UNIFILは、1978年の国連安保理決議に基づき設立された平和維持活動(PKO)。50カ国の計約1万人がレバノン南部で停戦監視などの任務に当たっている。レバノンで戦線を拡大するイスラエルは退避を求めているが、UNIFILは応じていない。
〔写真説明〕イスラエル軍の攻撃で大破した車の脇を通る国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の車両=3月2日、レバノン南部(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/01/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/01/05
-
-
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方