出張中でも地震は起きる(イメージ:写真AC)

企業のリスク担当責任者は、自社を取り巻くリスクに関する対策をさまざま講じていると思います。そのなかでも、地震、特に喫緊の課題である首都直下地震や南海トラフ巨大地震については、これらの対策だけで社員を守り切れるのだろうかと悩んでおられるのではないでしょうか。

地震対策としては、建物の耐震化を含めて、社員が自社の建物の中にいることが前提となっていますが、実は、社員がその建物内にいるとは限りません。社員が出張など外出中の場合でも、自分の身を守るためにはどのようなことをすればよいのか考えます。

1.ホテルの宿泊で注意すること

ホテルの部屋で突然の地震の揺れに見舞われたとき、どのように対応するべきか確認します。

(1)自分の部屋の位置を知る

チェックインの後、ホテルの部屋に入り、そのあとは寝るだけという方も多いのではないでしょうか。でも、その前にやることがあります。それは、自分の部屋の位置、そして非常口や避難階段の場所をドアの内側で確認することです。

ホテルでは自分の部屋の位置、非常口や避難階段の場所を確認(筆者撮影)

緊急時には、非常放送などの誘導指示に従い、非常口から避難階段を使って避難することになりますが、その際はエレベーターを使わないことも押さえておきましょう。

(2)まず大きな揺れから身を守る

震度6強の揺れの場合、はわないと動くことができず、飛ばされることもあり得る状況となります。

オフィスの中にいれば、自分の机の下に入り、自分自身の安全を確保することになりますが、ホテルの場合も、備え付けの机の下に入ることが基本です。ただ、ホテルにある机は奥行きが狭く、その中にもぐり込むことが難しい場合は、備え付けの枕などで頭を保護し、低い姿勢を保ちます。

ホテルにある机、あるいはクローゼットなどはつくり付けのものが多いので、倒れる、あるいは動くことはなさそうですが、ベッドについては揺れにともない移動する可能性がありますので、注意しましょう。

(3)深夜の揺れに備える

深夜の揺れで目覚めたとき、薄明かりの中で、いつもと違うベッドで寝ていることに気づき、「ここはどこ?」ということになりかねません。ましてや、地震後に停電ともなると、そこで的確な動きがとれるでしょうか。

そんな時に必要になるのが、懐中電灯です。懐中電灯は多くの場合、机の下やクローゼットなどに置かれていますが、場所が分からない場合はフロントに尋ねるとよいでしょう。

懐中電灯がどこに置かれているかも確認する(筆者撮影)

また、電池切れの場合もありますので、確認しておきます。