石川県の3市町に発表された大雨特別警報を受けて、気象庁と国土交通省が21日、共同で記者会見した。国交省の小島優河川環境課長は「1月の地震で被災した河川の堤防や護岸が完全に復旧できていない所がある」として、「低水位でも氾濫の危険性があり、河川のそばでは一層警戒が必要だ」と訴えた。
 22日は台風14号から変わる温帯低気圧が北陸や東北地方へ接近する見通し。気象庁の杉本悟史予報課長は「低気圧に変わっても等圧線の間隔が狭く、強風が吹いている。大雨に加えて警報級の暴風になる可能性がある」と説明した。
 同庁によると、日本海から東日本にかかる前線で、暖かく湿った空気が北からの冷たい風とぶつかり、積乱雲が発達しやすくなっている。東北と北陸では22日中は大雨と暴風への警戒が必要。同日正午までの24時間予想雨量は、多い所で北陸200ミリ、東北150ミリ。
 前線と温帯低気圧の影響で活発な雨雲がかかり続けるため、大雨特別警報を発表する自治体が増える可能性もあるという。杉本課長は「避難情報が出ている地域では、特別警報の発表を待つことなく直ちに身の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。 
〔写真説明〕石川県の大雨特別警報について共同で記者会見する気象庁の杉本悟史予報課長(左)と、国土交通省の小島優河川環境課長=21日午後、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)