2024/09/16
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】米南部フロリダ州のゴルフ場で15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)ごろ、プレー中だったトランプ前大統領を警護していた大統領警護隊(シークレットサービス)が発砲した。トランプ氏が銃で狙われていたためで、連邦捜査局(FBI)は暗殺未遂の可能性があるとみて捜査している。トランプ氏にけがはなかった。
米メディアによると、当局は付近から逃走したライアン・ウェスリー・ラウス容疑者(58)を拘束、銃の不法所持の疑いで訴追した。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は同容疑者について、元建設労働者で、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始後に同国に渡り、支援のため数カ月滞在していたと報じた。軍歴はないという。
トランプ氏は事件後に声明を通じ「私は無事で元気だ」と強調。11月の大統領選に向け、選挙戦を継続する意向を明らかにした。同氏は7月、東部ペンシルベニア州バトラーで開かれた選挙集会で演説中に銃撃され、右耳を負傷していた。
事件が起きたのは、トランプ氏がフロリダ州ウエストパームビーチに所有するゴルフ場。警護官が銃を向けている容疑者に気付いて4~6回発砲した。容疑者が銃撃に及んでいたかどうかは不明。容疑者は車で逃走したが、地元当局が発見し、高速道路上で拘束した。
トランプ氏がFOXニュースに語ったところでは、銃声直後に警護官が飛び付き、覆いかぶさった。警護官はトランプ氏をクラブハウスに誘導し、安全を確保したという。
捜査当局によれば、トランプ氏と容疑者の距離は最長で460メートル程度だった。容疑者がいた場所から照準器付きのAK47自動小銃が押収されたほか、ゴルフ場を仕切るフェンスにセラミックのタイルが入ったバックパック二つが掛けられていた。身体などに装着して撮影可能なウエアラブルカメラも見つかった。
バイデン大統領は15日夜に声明を出し、警護隊の働きを称賛した上で、トランプ氏が無事だったことに「安堵(あんど)している」と語った。大統領選でトランプ氏と対決するハリス副大統領も「トランプ氏の無事に感謝する」と表明し、政治的暴力を非難した。
〔写真説明〕15日、米南部フロリダ州パームビーチのゴルフ場で見つかった銃の写真(EPA時事)
〔写真説明〕15日、発砲があった米南部フロリダ州ウエストパームビーチのゴルフ場周辺に集まった捜査車両(ロイター時事)
〔写真説明〕トランプ前米大統領=6日、ニューヨーク(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方