2024/09/08
防災・危機管理ニュース
総務省消防庁は2025年度、大規模災害時に全国から被災地に出動する「緊急消防援助隊」に、悪路でも走行できる小型救助車などを配備する方針だ。能登半島地震の被災地では、大型車両が通れない場所があり、救助活動や物資輸送が妨げられたことから、迅速に活動できるようにしたい考えだ。同年度予算概算要求に関連経費を金額を示さない「事項要求」として新規で盛り込んだ。
同援助隊は、能登半島地震が発生した今年の元日から被災地での活動を開始。52日間にわたって消火や救助、物資搬送などを行った。ただ、倒壊家屋から被災者を救い出す資機材などを積んだ大型の救助工作車は、大きいもので全長8.5メートルもあったため進入路が限られ、初期の救助活動は一部の消防本部に配備されている小型救助車(全長3.4メートル)などが当たった。
こうした教訓を踏まえ同庁は、道が狭くひび割れがあっても人員や資機材を搬送できる小型救助車を同援助隊に配備する方針だ。さらに、道路が寸断された場合でも自衛隊のヘリなどで空から輸送できるよう、積み込む資機材を初期の救助に必要なものに絞った「救助先行車」を新たに製造して導入することも検討している。
また、打ち合わせスペースやシャワーなどを備え、被災地で隊員の活動拠点となる「拠点機能形成車」も大きいもので全長12メートルあるため、小型の「機動前進指揮車」を製造し、配備する予定。隊員の後方支援を充実させる。
一方、能登半島地震に伴う石川県輪島市の大規模火災を踏まえ、遠隔操作で火元へ向かい、放水を行うロボットを整備する方針だ。地震や津波警報が発令される中でも、隊員の安全を確保した上で消火活動を行えるようにする。
〔写真説明〕ひび割れがある道路を走って、能登半島地震の被災現場に向かう消防の小型救助車(総務省消防庁提供)
〔写真説明〕ひび割れがある道路を走って、能登半島地震の被災現場に向かう消防の小型救助車(総務省消防庁提供)
(ニュース提供元:時事通信社)
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