2024/09/07
防災・危機管理ニュース
屋内外のどこへでも持ち運べ、スマートフォンの充電や家電製品への給電に活躍する「ポータブル電源」の販売が急増している。8月の南海トラフ地震臨時情報の発表や台風10号の発生で、消費者の防災意識が急速に高まったことが背景にあるようだ。メーカーは増産を急いでいるが、店頭では一部で欠品も生じている。
ポータブル電源大手の米ジャクリでは、8月8日の臨時情報発表後、日本国内での販売数が急増。1月の能登半島地震後も伸びたが、今回の売れ行きは「その倍」(広報担当者)という。オンラインショップや家電量販店では、人気商品が一時品切れとなった。
中国メーカーのエコフローテクノロジーは、1~8月の日本での売上高が前年同期の約1.3倍に拡大、増産体制を敷いて対応している。売れ筋はバッテリー容量が1000ワット時で、価格は14万円台程度の商品という。
JVCケンウッドは、非常に強く、速度が遅かった台風10号の影響で西日本を中心に受注が急増。増産しているが追い付かず、「ほぼすべての商品で欠品状態が続いている」(担当者)状況だ。
ポータブル電源はスマホなどの充電に使うモバイルバッテリーより容量が大きく、照明や調理家電まで用途が広いのが特長だ。新型コロナ禍でのキャンプブームで利用する人が増えた。
家電量販店「ビックカメラ有楽町店」(東京都千代田区)の専用売り場には、各社のポータブル電源が並ぶ。3台目の購入を検討しているという会社員の男性(60)は、「自宅に設置したソーラーパネルで充電して家電に使う」と話した。電気代節約のため普段使いをしている人も多そうだ。
〔写真説明〕エコフローテクノロジーのポータブル電源「デルタ 3 プラス」(同社提供)
〔写真説明〕ポータブル電源の売り場=5日午後、東京都千代田区のビックカメラ有楽町店
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- ポータブル電源
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方