2024/08/27
防災・危機管理ニュース
夏の暑さを遮り、冬は室内の暖かさを逃がさない「断熱」性能を売りにした住宅リフォームの需要が増えている。猛暑続きで室内の熱中症が問題化。新築住宅が伸び悩む中、メーカーなどは健康増進や省エネ効果などのメリットを強調している。
住友不動産は2021年から、中古住宅のリフォーム事業で断熱性能を高める提案を強化している。顧客は50~60代が中心で、子供が独立した後に部屋数を減らしながらリフォームするケースなどがあるという。同事業を手掛ける高橋潤首都圏事業部長は、「健康維持にもつなげながら、限りなく新築に近づけたい」と語る。
大和ハウスリフォーム(大阪市)では、窓の内側に取り付けて熱を遮断する「内窓」の設置工事が増加。売り上げは年間約2億円に上る。LIXILでも樹脂製サッシと複層ガラスなどを使った内窓の販売が、今年は前年以上の売り上げで推移する。
断熱効果をより高めるため、「生活空間を考慮した提案をすることが大事」と話すのは住友林業ホームテック(東京)の木崎繁市常務。急激な温度差で血圧などが変動する「ヒートショック」を防ぐには、浴室と部屋をつなぐ廊下の温度にも気を配る必要がある。同社は住宅の事前調査や住人の生活実態に合わせた提案ができる社員の育成に力を入れる。
住宅情報サイト「SUUMO」の笠松美香副編集長は「在宅ワークの普及もあり、冷暖房費が家計の負担になっている。電気代削減につながる断熱リフォームの需要は今後も続く」と分析している。
〔写真説明〕床に入れられる断熱材(住友不動産提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

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