政府は8日、宮崎県で震度6弱の揺れを観測した地震を受け、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。岸田文雄首相は官邸で記者団の取材に応じ、気象庁が南海トラフ地震臨時情報として発表した「巨大地震注意」について、警戒や備えに万全を期し、SNSなどによる偽情報を拡散しないよう呼び掛けた。
 1月の能登半島地震では誤った情報が流通・拡散し、救助や復旧に影響が出たとされる。首相は「政府から発信する情報をよく確認してほしい。無用な混乱を避けるため、偽情報の拡散などは絶対に行わないようにしてほしい」と強調した。
 林芳正官房長官は臨時に記者会見し、「情報の正確な発信に努める」と語った。臨時情報には「巨大地震警戒」と「巨大地震注意」の2種類があると述べ、詳細な説明は気象庁に委ねた。
 地震に関し、首相は被災者の救命・救助など災害応急対策に全力で取り組むよう関係省庁に指示。津波や避難に関する適時・的確な情報提供や住民が避難する際の被害防止、早急な被害状況の把握も求めた。
 首相は官邸で松村祥史防災担当相と対応を協議。政府は関係省庁による災害対策会議も開催した。
 首相は9日に長崎市を訪問する予定。その後、中央アジア5カ国との初の首脳会合に出席するため、カザフスタンに向けて出発することになっているが、地震の状況を見極め、9日に外遊の可否を最終判断する。首相は日程変更の可能性を記者団から問われ「状況を踏まえて適切に判断したい」と語った。 
〔写真説明〕記者団の質問に答える岸田文雄首相=8日午後、東京・永田町
〔写真説明〕宮崎県で震度6弱の揺れを観測した地震について記者会見する林芳正官房長官=8日午後、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)