【ファサーノ(イタリア南部)時事】イタリア南部ファサーノでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)は14日午後(日本時間15日未明)、全ての討議を終えて首脳声明を採択した。ロシアによる北朝鮮の弾道ミサイル調達をはじめ、両国間の軍事協力拡大を「最も強い言葉で非難する」と表明。ロシアの核・ミサイル技術の北朝鮮への移転を含め、直ちにやめるよう要求した。
 首脳声明は、中国の覇権主義的な動向に触れ、「台湾海峡の平和と安定の維持が国際の安全にとって不可欠だ」と強調した。南シナ海での「軍事化や強圧的、威嚇的な活動」への反対も盛り込んだ。
 ロシアのウクライナ侵攻を重ねて批判。各国が凍結したロシアの資産を活用し、約500億ドル(約7兆8500億円)をウクライナに融資すると明記した。
 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの情勢を巡っては、バイデン米大統領が5月末に公表した新たな停戦案への全面的な支持を確認。ハマスに履行を求める一方、イスラエルにガザ最南部ラファでの本格的な軍事攻撃の自制も求めた。
 サミットの主要議題の一つになった人工知能(AI)に関しては、日本が主導した生成AIの国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」への賛同国の拡大を歓迎した。AI使用に関する行動計画の策定に着手する方針も示した。
 議長国イタリアは今回、アフリカから欧州に流入する移民対策を重視。首脳声明では、不法移民のあっせんに対抗する「G7連合」の発足を打ち出した。 
〔写真説明〕先進7カ国(G7)と招待国の首脳らが出席した拡大会合=14日、イタリア・ファサーノ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)