先進7カ国首脳会議(G7サミット)が13~15日、イタリア南部プーリア州で開かれる。G7首脳はロシアのウクライナ侵攻に結束して対応する方針を確認。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中東情勢や、移民対策、生成AI(人工知能)への法規制の在り方について意見を交わし、共同声明を出す。
 岸田文雄首相やバイデン米大統領らが出席し、ロシア制裁を続ける姿勢を再確認する。ウクライナ支援では、G7のうち米仏などが、供与した武器でロシア領内を攻撃することを容認した。G7各国が凍結したロシア資産の活用策も協議する。第三国を通じたロシアの制裁回避や、ロシアと北朝鮮の軍事協力についても話し合う。
 中東情勢に関し、G7首脳は3日付の声明で、バイデン氏が明らかにしたパレスチナ自治区ガザでの新停戦案に対する支持を表明した。会議では、ハマスに全面的な受け入れを求めるとみられる。
 議長を務めるメローニ伊首相は、移民やAIに関する議論を重視する意向。AIを扱う討議には、倫理面や規制の在り方に関心が高いフランシスコ・ローマ教皇も参加する。欧州への不法移民に関しては、主な流入源になっているアフリカでの開発の在り方や、気候変動が与える影響を中心に意見交換。対策を打ち出す見通しだ。
 台湾周辺や東・南シナ海で威圧的行動を続ける中国についても意見を交わす。岸田首相は対話の必要性を訴える一方、「主張すべきは主張する」との日本の立場を説明する考え。共同声明には「力による一方的な現状変更の試みへの反対」「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記する方向だ。 
〔写真説明〕先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の夕食会に先立ち厳島神社を訪れ、写真撮影に応じる岸田文雄首相(中央)らG7首脳=2023年5月、広島県廿日市市

(ニュース提供元:時事通信社)