ダイハツ工業などの認証不正問題を受け、自動車メーカーなどが行った社内調査で、国土交通省は3日、トヨタ自動車など5社で不正が判明したと発表した。同省は現在生産中の3社6車種について出荷停止を指示。5社に対し、道路運送車両法に基づく立ち入り検査を行う。
 国交省によると、5社からは5月31日までに報告があり、このうちトヨタ(3車種)、マツダ(2車種)、ヤマハ発動機(1車種)は、現在生産中の車両で試験データの転用や国の基準を満たさない条件での試験実施などが判明。過去に生産した車種では、3社に加えてホンダ(22車種)、スズキ(1車種)でも不正があり、5社で計32車種に上った。
 トヨタとマツダは、安全性を確かめる衝突試験で、エアバッグがタイマーで作動するよう車両に加工をしていた。ダイハツが1月に型式指定取り消しの処分を受けた際と同様の不正という。
 トヨタは3日、2014年以降に7車種で、国が定めた基準と異なる方法で不正な認証試験を行っていたと発表。「カローラフィールダー」と「カローラアクシオ」「ヤリスクロス」の3車種について、同日から出荷と販売を停止する。
 東京都内で記者会見した豊田章男会長は、「ダイハツ工業、豊田自動織機に続いて問題が発生していることにトヨタグループの責任者として心よりおわびする」と謝罪した。 
 自動車の大量生産に必要な認証「型式指定」を巡っては、ダイハツと豊田自動織機で相次いで不正が発覚。国交省は今年、2社にそれぞれ道路運送車両法に基づく是正命令を出した。
 2月には自動車や装置の型式指定を取得しているメーカー、輸入販売業者計85社に、過去10年間の不正行為の有無を報告するよう指示。5月末時点でマツダなど68社が調査を完了しており、トヨタを含む17社は継続中という。(了)

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