2024/04/23
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】米アップルが中国市場で苦戦している。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は中国メーカーとの競争が激化している上、アプリストアで対話アプリの削除を命じられたと伝えられた。成長市場として注力してきただけに「泣き面に蜂」の状況だ。生成AI(人工知能)ブームにも出遅れ、株価もさえない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国当局はアップルに対し、米メタ(旧フェイスブック)の対話アプリなどをアプリストアから排除するよう命令。アップルは要求をのまざるを得なかったようだ。
当局はSNSでの政府批判が社会的混乱を招く事態を警戒し、規制を強めてきた。市民はネットワーク技術で規制を回避してきたが、アプリ配信そのものが中止になれば、こうした手段も使えない。中国はアプリ開発業者の登録制を導入しており、アップルは追加削除を迫られる恐れもある。
アップルは売上高の半分以上をアイフォーンに依存。収益源の多様化を図るため、アプリ配信などサービス収入の強化を進めていた。中国の規制強化は、こうした取り組みに冷や水を浴びせるものだ。
アイフォーン販売にも懸念がくすぶる。調査会社IDCによれば、2024年1~3月期の世界のスマホ出荷台数が前年同期比7.8%増加したのに対し、23年通年で首位だったアップルは約10%減で2位に転落。一方、3、4位に入った中国勢は大きく伸長した。
クック最高経営責任者(CEO)は昨年10月以降、2度にわたり訪中し販売てこ入れを試みた。ただ、同国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の新型スマホが人気を博す中、事態打開は容易ではない。
アップルは世界で初めて時価総額3兆ドル(約465兆円)台に乗せたものの、今年に入ってからは軟調な展開が続く。生成AI開発の出遅れが響いたもようで、ブームに乗ったマイクロソフトに首位を譲った。
アップルは5月2日に1~3月期の決算を発表する。6月には年次開発者会議も控えており、生成AIに関する取り組みを説明する見通し。挽回が図れるか注目が集まっている。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 中国
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/01/07
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/01/05
-
-
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方