豊田自動織機のエンジン認証不正で、国土交通省は30日、道路運送車両法に基づき、愛知県碧南市の同社工場に立ち入り検査した。国交省は社員への聞き取りや資料の確認など、不正の実態解明を進める。
 立ち入り検査は30日午前9時ごろ開始。同省は今後、大量生産に必要な国の認証「型式指定」の取り消しを含む行政処分も検討する。
 斉藤鉄夫国交相は30日の閣議後記者会見で、「極めて遺憾。企業のガバナンスに関する問題がないかという視点も含め、広く調査する」と話した。
 豊田織機の外部有識者による調査報告書によると、フォークリフト用6機種、建設機械用1機種のエンジンで排ガス性能試験を巡る不正があった。自動車用エンジン3機種でもエンジンの出力試験で不正があったという。
 国交省は同社からの報告を受け、同省が環境性能などの基準適合性を確認するまで、不正があった現行エンジンの出荷を停止するよう指示した。
 また建設機械用エンジン1機種については、リコール措置に向けて、供給先の建設機械メーカーと連携して対応するよう指導した。
 豊田織機への立ち入り検査は2023年3月以来、2回目。国交省は同年4月、フォークリフト用エンジン2機種の型式指定を取り消した。
 エンジンの供給を受けるトヨタ自動車は、国内外の10車種の出荷を一時停止。日野自動車、マツダも1車種ずつの出荷停止を決めた。
 立ち入り検査開始後、取材に応じた豊田織機の広報担当者は「このような事態を招き誠に申し訳ない。しっかりと検査を受けたい」と陳謝した。 
〔写真説明〕豊田自動織機の碧南工場に立ち入り検査に入る国土交通省の職員ら=30日午前、愛知県碧南市

(ニュース提供元:時事通信社)