環境、国土交通両省は29日、発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」を巡り、全国の水道事業者に要請した初めての実態調査の結果を公表した。9月30日時点で国が定める暫定目標値を超えた事業はなかった。過去には暫定目標値を超えた事業もあったが、環境省の担当者は「専用設備の設置など対策が進んだ結果」と説明している。
 水道は主に市町村や都道府県が運営している。PFASの検査は水道法に基づき、事業者が任意で実施。暫定目標値は、水道水1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)としている。
 調査は、全国3755事業者を対象に5~9月に行い、3595事業者が回答。このうち、暫定目標値が設定された2020年度から24年度までに水質検査を行ったのは2227事業者だった。
 暫定目標値を超えたのは、20年度が11事業、21年度が5事業、22年度が4事業、23年度が3事業。24年度は全ての事業で下回った。給水人口の割合で見ると、98.2%で暫定目標値以下の水質の水道水が確認されたことになる。 
〔写真説明〕水道(資料)

(ニュース提供元:時事通信社)