【ワシントン時事】米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は23日、世界の終わりまでの猶予時間を象徴的に表す「終末時計」の針について、人類滅亡を示す午前0時まで90秒に設定した。昨年と同じだが、核戦争などの「世界が直面する未曽有の危機」に警鐘を鳴らした。
 同誌のブロンソン最高経営責任者(CEO)は「前年と同じなのは世界の安定を示すものではない。まったく逆だ」と訴え、世界中の政府に危機回避に向けた行動を促した。
 同誌は米国、ロシア、中国が巨額の資金を投じて核兵器の増強・近代化を進めていることを指摘。イランや北朝鮮の核開発も挙げ、「誤算による核戦争の危険性が高まっている」と述べた。また、気候変動や人工知能(AI)の暴走リスクなどにも懸念を示した。 

(ニュース提供元:時事通信社)