アメリカの危機管理の発展に学ぶ
第14回: 同時多発テロから21年

ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022/10/13
危機管理で学ぶ英語
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
9.11から21年が過ぎた今、アメリカの危機管理はどのように変わったのか、アメリカの大手コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニー社は今年8月、アメリカの過去20年間のリスクマネジメントの発展について“Building resilience: The history and future of US crisis management”というレポートを発表しています。
今回はそのレポートを使って英語を学びましょう。なお、本レポートはマッキンゼー・アンド・カンパニーのウェブサイトから無料でダウンロードできます(全文でPDF9ページ)。
1. Two decades have passed since the tragic events of 9/11 and the subsequent implementation of the Homeland Security Act of 2002. This landmark legislation spurred the largest reorganization of the US federal government since the National Security Act of 1947, uniting the Federal Emergency Management Agency (FEMA) with 21 other organizations under the newly created Department of Homeland Security (DHS).
9.11の悲劇とそのテロを契機に生まれた2002年の国土安全保障法から20年が過ぎた。この画期的な法案は、1947年の国家安全保障法以来、アメリカ連邦政府の最も大きな再組織化を促し、新たに創設された国土安全保障省の下、FEMAと21の組織を統合した。
2. DHS has developed and implemented national response structures that have improved and streamlined how local, regional, and national disaster responders serve communities. For instance, it launched the National Incident Management System(NIMS) in 2004 as a preparedness and response management model designed to standardize and unify response operations.
DHS(米国国土安全保障省)は、地方、地域、そして国家の災害対応の従事者が地域社会に、より効率的に貢献できるよう改善する国家の骨組みを開発し、それを実践した。例えば、対応策の統一と標準化を目的とした災害への準備(回復力)と災害対応の管理の1つのモデルとして、2004年にNIMS(米国現場指揮システム)に着手した。
3. The increased spending on disaster relief and preparedness is driven, in part, by a greater awareness of the importance of disaster management since 9/11. But another driver has been the increasing frequency and severity of disasters, as well as increased exposure of individuals and infrastructure to major risks.
災害救助と災害への備え(回復力)に対する資金の増加は、1つには、9.11以来、災害管理の重要性がより高まったことにより推進された。しかし、もう1つの原動力は、災害の頻度と深刻度の増加、個々人とインフラの災害リスクの曝露量の増加によるものだ。
4. Research suggests that the number of weather-and climate-related disasters, such as hurricanes, flooding, and wildfires, is on the rise. In 2021 alone, in the midst of the COVID-19 pandemic, the United States endured Hurricane Ida, a catastrophic heat wave in the Pacific Northwest, and an extended forest fire season in California.
調査によれば、ハリケーンや洪水、山火事など天気や気候に関連した災害が増加傾向にある。2021年をとってみても、コロナ真っ只中に、アメリカはハリケーン・アイダ、太平洋岸北西部の最悪の熱波、カルフォルニアの長期期間の山火事に耐えてきた。
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