2018/07/03
独自調査
回答企業は、上場企業と非上場企業がほぼ半数で、企業規模では1000人以上の企業が約6割を占めた。業種別では製造業が35%と最も多く、次いで情報通信業および卸売・小売業(それぞれ13%)、サービス業(9%)と続く。また、今回の地震で震度5弱以上を観測した地域(市町村)にある自社施設は、支社・支店が63%と最も多く、次いで営業所・販売所が30%、本社・本店があるとした回答は22%だった。
6月18日(月)に大阪北部で発生した地震に関する企業へのアンケート調査で、回答者(有効回答数148)のうち「BCPを策定している」とした企業(回答数126)に対して、BCPが十分に機能したかどうかを聞いたところ、「まったく機能しなかった」との回答はほぼなかったものの、「十分に機能した」との回答も20%未満にとどまった。そもそも今回の地震は「BCPの発動に至らなかった」との回答も20%近くあったが、それでも地震後の対応に何らかの課題があったことをうかがわせる結果となった。
質問では、BCPが「まったく機能しなかった」をレベル1、「十分に機能した」をレベル5として、回答者に、あてはまるレベルを1~5の中から選択してもらった。その結果、レベル1の「まったく機能しなかった」はわずか1.6%だったものの、レベル2は14.3%、レベル3は23.8%で、十分に機能しているとは評価できないと思われる回答も多かった。一方、レベル4(21.3%)とレベル5(19.1%)を足すと全体の約4割で、BCPが機能したかどうかについての評価は、企業によって大きく分かれることが分かった。
そこで、BCPの構築状況(※)別にレベル1~レベル5の平均値を算出してみると、「BCPを策定し定期的に訓練、見直している企業」については、そうでない企業に比べ、より、機能をしたと感じている傾向が浮かび上がった。
「1.BCPは策定していないし、策定する予定もない」「2.BCPは策定していないが策定中・策定予定」「3.BCPは策定したが一度も見直していない」「4.BCPを策定し、非定期ではあるが見直し訓練を実施している」「5.BCPを策定し定期的に訓練・見直しを実施している」の5段階の中から選んでもらった。
次回以降、大阪北部地震で企業がどのような被害を受けたかを解説する(続く)。
<本調査結果のサマリーは、7月10日より無料ダウンロードいただけるよう準備を進めております。また8月上旬には今回の地震に関するセミナーを開催する予定です>
独自調査の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方