「過去最高クラス」の台風14号が九州を縦断(写真:写真AC)

九州縦断、日本横断

唐津に移住して初めての9月です。今のところ、食欲の秋というより、台風の秋という印象が強いです。9月5日から~6日、台風11号が九州北部に接近し、唐津も暴風でした。木造・築50年の我が家で、「停電しないよね」「断水はやめて」と祈りつつ、ひと晩を過ごしました。

9月18日天気予報サイト Windyより

このビビった夜から2週間後の18日、11号よりさらに大型で強い「過去最高クラス」の台風14号が鹿児島に上陸、そのまま北上し、九州を縦断しました。19日未明から明け方にかけて九州のほぼ全域が暴風域となり、唐津市では観測史上最大瞬間風速44.1メートルを記録しました。

玄界灘は荒れると聞いていましたが、それは冬のことではなかったのか。私の家は唐津市の中でも玄海側、海の近くにありますので、暴風域といわれたエリアの中でさらに暴風。家が飛ぶか、もしくは飛来物で家が壊れるか、窓が割れるか、朝まで家があるのかとビビりながらベッドに入りました。

ものすごい風の音、何かがあたる音、隙間風でバタバタする戸の音(築50年なので)でなかなか寝付けずにいると、明け方ピタッと音が止みました。台風の目に入り、何事もなかったかのような無音が数時間続いた後、再び暴風となりました。無音時が眠れるチャンスでしたが、逆に目が冴えてしまい、その後の暴風でまた眠れなくなるという悪循環、この状態で朝を迎えました。

周囲の状況

明るくなり、雨が小降りになったタイミングで(風はまだまだ強かったのですが)、近所の方々が自宅周辺の確認のために家から出てきました。どこかからのトタンがぶつかり後方ガラスが割れているお向かいさんの車、天井が吹き飛んでしまっているお隣さんの物置など、身近なところで被害が出ていました。

折れた『止まれ』(筆者撮影)

状況が明らかになってくると、唐津市は佐賀県内の他市町村と比べて相当の被害を受けていることがわかりました。

唐津市に7つある離島のうち加唐島、小川島、馬渡島、松島、向島の5島では18日夕方から徐々に停電しはじめ、その後真っ暗に(離島停電は19日18時までに復旧)。市内では離島含め6190戸が停電(9月19日7:48時点)、普及作業は20日夜まで続きました。

また、停電の影響で水道ポンプの圧送ができなくなり、19日10時から300世帯で断水、給水車2台が出動しました(19日18時頃に復旧)。さらに、土砂崩れや倒木で市内の県道や市道の約20カ所で通行止めや片側交互通行となり、9月21日現在、復旧作業中です。

飛んだ屋根(筆者撮影)

我が家は庭に瓦の破片や木材が散乱していましたが、車や家にあたった形跡はなく、被害としては玄関先の雨漏りだけでした。夜中に数回数分間の停電はありましたが、その都度復旧し、断水も起こらず、私が住む地域の水・電気・ガスは無事でした。

今回の台風の大きさから考えると、自宅に大きな被害がなく、ライフラインも切れずに過ごせたというのは奇跡でした。