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サプライチェーン・マネジメントのための各種ソリューションを提供している Interos 社は、2022年5月11日に同社2回目となる調査報告書「Resilience 2022: Interos Annual Global Supply Chain Report」を発表した。

これは欧米のIT、ITセキュリティ、および調達・購買に関する意思決定者1500人を対象として行われたアンケート調査に基づく報告書である。回答者の企業の規模は年商10億米ドル以上のようであるから、基本的に大企業におけるサプライチェーンの状況が反映されているということになる。

回答者の地域別の内訳は、米国から400人、英国・アイルランド、フランス、ドイツ・オーストリア・スイス(注1)からそれぞれ300人、カナダから200人となっている。産業別の内訳を見ると、航空・防衛産業、金融(銀行および保険)、IT、医薬品・ライフサイエンス、政府関係からそれぞれ300人となっており、自動車や機械、食品などといった産業は含まれていないので、産業の偏りによる影響が多少含まれている可能性はある。

なお、調査はロシアによるウクライナ侵攻が始まる前に行われたので、本報告書の調査結果はウクライナ侵攻前の状況ということでお読みいただきたい(1つだけウクライナ侵攻後に追加調査された項目がある)。

なお本報告書は下記URLにアクセスして「Download」というボタンをクリックすれば、無償でダウンロードできる。
https://www.interos.ai/resources/global-supply-chain-report/
(PDF 32ページ/約 1.3 MB)


図1は、「自社のサプライヤーは特定の地域に集中しすぎていることを懸念している」という文に対して同意するかどうかを尋ねた結果である。「強く同意する」(Strongly agree)と「多少同意する」(Slightly agree)とを合わせると、回答者の86%が、サプライヤーが特定の地域に集中しすぎていることを懸念しているということになる。

画像を拡大 図1.  サプライヤーが特定の地域に集中しすぎていることを懸念しているかどうか (出典:Interos / Resilience 2022: Interos Annual Global Supply Chain Report)

本報告書では、サプライヤーが集中している例として、半導体(台湾)、レアアース(中国)などが挙げられている。また多くの国がエネルギーや穀物をロシアやウクライナに依存していることも、ウクライナ侵攻に関連する報道で度々言及されているので、ご存じの方が多いと思われる。