unreservedly 謝罪します
第3回:英国政府の危機対応
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
2022/02/17
危機管理で学ぶ英語
ライアン カミムラ
英国の大学院を卒業後、新建新聞社に入社。リスク対策.comの記者、編集者を経て現在某機械メーカーの海外営業部に勤務。主にコロナ前は海外展示会や海外営業担当、コロナ後はオンラインで英語プレゼンに従事。記者時代の経験を生かし、現在も記事、イラスト、翻訳を兼業。
英国ではロックダウン中の2021年5月、首相官邸内で開かれたガーデン・パーティにジョンソン首相の参加が発覚。その後も相次ぐ首相周辺のパーティ疑惑(party-gate)は、いまや政権の存続を揺るがす一大事に。今年1月12日にはジョンソン首相が議会で正式に謝罪。事務次官による疑惑の独自調査をはじめ、ロンドン警視庁も捜査を開始するなど、まだまだ出口が見えない状況です!そんな英国政府における危機対応真っただ中の英語を勉強しましょう!
1. Boris Johnson is facing further allegations of rule-breaking parties during the pandemic, after his office confirmed staff had gathered in Downing Street to celebrate his birthday during the first lockdown in 2020.
Bloomberg, 25 Jan, 2022
2020年の最初のロックダウンの期間中に、首相の誕生日を祝おうとスタッフが官邸に集まったことを英政府が認めたことを皮切りに、ボリス・ジョンソン首相はパンデミック禍におけるルールを破ったさらなる複数のパーティ疑惑に直面している。
allegationは 主に不正行為について十分な証拠のない「申し立て」や「断言」という意味です。新聞やニュースでは、使われない日はないのではないかと思われるほど非常によく使われる単語です。実際に訳すときは「疑惑」と訳した方がわかりやすい時も多々あります。政治の世界は、どこの国でも疑惑だらけなのでしょう(笑)。
2. Boris Johnson has said he “apologises unreservedly” for a video showing Downing Street officials joking about a staff party during the peak of lockdown last December.
Guardians, 8 Dec, 2021
ボリス・ジョンソンは昨年12月のロックダウンの真っただ中での英国政府の職員が発したパーティに関する冗談について「心から陳謝」した。
unreservedlyは 「(感情の表し方が)遠慮なく」、「(謝罪などが)素直に」という意味です。 類義語としてsincerelyやhonestlyが挙げられます。ジョンソン首相は、1月12日の会見の中で同様の内容で“I offer my heartfelt(心からの) apologies”と言っています。
3. Mr Johnson is accused of misleading the public and parliament about drinks parties that took place at 10 Downing Street in London.
BBC, 19 Jan, 2022
ジョンソン首相は、首相官邸内で飲み会パーティを開催したことについて、国民と議会を欺いたことで批判されている。
10 Downing Streetは「首相官邸」を意味します。黒いドアにシンプルに「10」と書かれた首相官邸の写真をニュースで見たことがある人もいると思います。Downing streetだけでも官邸の意味になりますが、状況によっては政権や政府という意味でも使われます。また、Downing streetを省略して in /at NO.10と呼ばれることも多いです。意味を知らないと突然何の数字かと思ってしまいますので、注意しましょう。
危機管理で学ぶ英語の他の記事
おすすめ記事
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方