小此木担当相(右)は次期基本計画策定の道筋を示した

内閣官房は25日、「国土強靭化の推進に関する関係府省庁連絡会議」の第18回会合を開催した。今年末に決定する次期国土強靭化基本計画での「起きてはならない最悪の事態」を防ぐための45のプログラムのうち、15程度を重点化プログラムとする方針を示した。2019年度予算案への反映のため、7月の次回会議において関係府省庁で申し合わせを行う予定。

この日承認された次期計画策定に向けた脆弱性評価の指針では、建物の大規模倒壊による多数の死傷者の発生など、45のプログラムとして最悪の事態を想定。フローチャートによりこれらの事態を生む要因を分析する。この日の会議では次期計画でプログラムのうち15程度を重点化すべきものに設定。正式な決定は次期計画決定と同じ今年末となるが、2019年度予算の概算要求前には関係省庁で調整を行い、7月の次回会議で大枠を固める方針。

また「アクションプラン2018」の素案も承認。アクションプランは5カ年計画である国土強靭化基本計画の推進へ、毎年策定されるもので、今回は現行基本計画での最後となるため、特に進捗管理を重視。現計画下での45の起きてはならない最悪の事態のうち、45プログラム中34プログラムにおいて進捗率は8割を超えている。目標の達成のほか、2017年の九州北部豪雨や1月の群馬県の本白根山の噴火、今冬の大雪被害の教訓を反映。低コスト水位計の設置など水害対策や土砂災害対策の推進、衛星データを活用した火山周辺の地殻変動の定期監視など防災情報の高度化や火山災害対策の推進、大雪が見込まれる場合の道路の予防的通行規制といった雪害対策の拡充を盛り込んだ。

脆弱性評価の指針とアクションプラン2018は、安倍晋三首相が本部長を務める国土強靭化推進本部で6月上旬に決定する予定。25日の府省庁会議で小此木八郎・防災担当大臣は「2014年の(現行の国土強靭化基本)計画策定から5年を迎えることから、年内に計画を見直す」とし、次期計画策定へ手続きを進めていくことを示した。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介