「情報」の正確な把握が最重要である
第1回:総論としての新型コロナ感染症

多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2021/10/12
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
コロナ禍に代表される昨今の社会情勢は「情報」というものの課題を多くの国民に提起している。すなわち、マスコミや専門家などが発信する「情報」を鵜呑みにできず、世論として多数を占める意見すら単なる感情論であって、科学的にいかがわしく、とても論理的ではないなど、何が正しい「情報」なのか簡単に判別できない状況なのだ。
危機管理は、実際に起きている危機事態を正確に把握することから始まる。リスク管理も、リスク評価の正確性が対策の有効性に直結する。つまり、元となる「情報」が怪しければ、対応策の検討が困難になる。さらには、現実に有効な策が世論と逆行し、批判の対象になるリスクすら考えられるので、批判された場合の説明責任など含めて極めて舵取りが難しい状況になっている。
それでも、盲目的に感情的な世の中の流れに沿うだけでは、有効な対策は望めない。従って、自身でオープンデータや1次資料を読み解き、できうる限り正確な情報を、科学的視点で、論理的に考察する必要がある社会環境と認識すべきだろう。
とはいえ、膨大なオープンデータを全員が確認するのは困難だ。1次資料といっても玉石混交状態である。筆者の論考は、そのような環境で仮説立てしながら、知り得るオープンデータとの論理的整合性を検証する手順で行っているので、対策の方向性検討の一助になれば幸いである。
もちろん、筆者の論考もぜひ鵜呑みにせず(笑)、検討し反論も歓迎したい。そうやってそれぞれの論考、検討が戦わされ、洗練されていくと信じているからだ。前置きが長くなったが、総論としての新型コロナ感染症は何だったのかを、まずは論考したい。
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