2018/04/20
防災・危機管理ニュース
小此木八郎・防災担当大臣は20日の記者会見で、道府県と同意できた政令指定都市への災害時の権限移譲を認めるための災害救助法改正について、目指すことを改めて説明した。開催中の今通常国会での法案提出を行う方針。
災害救助法の改正については、内閣府が2017年12月、両者の合意が必要としながらも、道府県から希望する政令市に、仮設住宅の設置や支援物資の給与といった一部権限を移譲する災害救助法改正の方針を盛り込んだ最終報告をまとめ、現在開催中の通常国会に法案を提出することを決めた。移譲する場合、費用は政令市が負担する。現在は宮城県と仙台市、愛知県と名古屋市、兵庫県と神戸市のほか、仮設住宅を供給する業界団体も交えた協議の場を設置している。
17日の全国知事会議で、都道府県側が改めて反対の意思を示していた。小此木担当相は「政令市は自らの財源で救助事務を迅速かつ円滑に実施でき、道府県は政令市以外の市町村での救助に集中できる」とメリットを説明。そのうえで「開催中の通常国会に法案を提出したい」とした。さらに「2016年から道府県側にもていねいに説明を行っている。防災は人の命にかかわる問題だ。さらに熱意をもって発信していく。道府県のみでなく関係する与党議員などにも内閣府から説明を行っている」と述べた。
硫黄山の19日の噴火については同日に関係省庁による災害警戒会議を開催。これまで被害情報はなく、警戒範囲である火口から2km圏内にいた人の避難も完了。警戒範囲内に居住地域がないことも説明された。
■関連記事
知事会、政令市への権限移譲改めて反対
http://www.risktaisaku.com/articles/-/5813
硫黄山噴火、警戒レベル3に引き上げ
http://www.risktaisaku.com/articles/-/5852
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方