写真を拡大 2015年の関東・東北豪雨(左)と2016年の九州北部豪雨(右)の航空写真とSAR画像を上下に並べたもの(出典:国交省・JAXA資料)

国土交通省は3月27日、災害時の人工衛星画像活用促進のため、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で「災害時の人工衛星活用ガイドブック」を作成した。航空写真では把握しきれない部分も写す衛星写真の特徴をつかみ、災害時の被害把握や衝動対応の迅速化を図る。

ガイドブックは水害版と土砂災害版に分かれ、水害版はさらに「衛星基礎編」と浸水解析などを詳しく記した「浸水編」に分かれる。水害版の基礎編では、自然の放射光や反射光で観測する光学センサとマイクロ波で観測するレーダセンサ(SAR)の違いを説明。光学センサは夜間や雲が多いと撮影できないが、一般の写真と同じように見られる。一方、SARは昼夜や天候に左右されずに撮影可能だが、画像を見て内容を理解するのには専門知識が必要。その解釈手法も説明している。

衛星は斜め下を映し、移動も続けることから、観測に向いた時間は12時間に1回程度であることも紹介している。水害版や土砂災害版いずれも過去の例もふまえた画像の判読事例を紹介。土砂災害編では初動期の留意事項も掲載。悪天候や夜間でも情報収集可能なSAR衛星の観測データを活用し、航空機やヘリコプターの調査範囲を絞ることなどを記した。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000944.html

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リスク対策.com:斯波 祐介