コロナ禍の避難環境でも3密を避け、プライベート空間を確保しつつ快適に生活できる

公共施設のイスやカプセルベッドの製造・販売を手がけるコトブキシーティングは、工学院大学の建築学部・鈴木敏彦研究室(ATELIER OPA)と共同開発した「ダンボール・スリープカプセル」を販売する。コロナ禍の避難環境でも3密を避け、プライベート空間を確保しつつ快適に生活できることを目指して開発したもので、輸出入に用いる「通い箱」として使用されるトライウォールジャパンの強化ダンボール製品「Uni-Pak」を改造して使用する。

「Uni-Pak」を2箱つなげて1室とし、入り口用の大きな丸穴と、採光と換気用の小さな円窓を設置。上下に重ねて2階建てとし、それぞれの入り口の前に専用のスペースを確保した。パーティションとなる段ボールの内側にはデスクと椅子を設置しており、パソコンを持参すればリモートワークが開始できる。スリープカプセルと収納・デスク・椅子スペースを合わせると、人道支援の最低基準である「スフィア基準」の避難所における1人当たり最低居住空間の3.5平方メートルに合致する。

同製品の組み立ては、1人で数分の作業時間で完了する。床と壁がスライドロックで固定されるため、テープや釘は不要。収納時には、壁を折り畳んで床に積み重ねると約4分の1のサイズになる。リサイクル時には、資源ゴミとして廃棄し、再生される。

両者は、同製品の開発において、試作品を自治体に持ち込み、実際の使用をリアルに想定しながら改良。今年3月には、沼田市役所防災広場で宿泊ワークショップにカプセル4室を出展し、実際にカプセルで寝泊まりした体験者によってその性能と有用性を確認した。

同製品の外形は、幅2300×奥行き1120×高さ1230ミリメートル。重量は60キログラム。強度は、積層する場合の耐荷重が600キログラム。構造は、天井カバーと床(パレット)が高密度ポリエチレン樹脂特殊成型+スライドロックレバー、壁(スリーブ)が強化ダンボール(AAAフルート構造のトライウォール・パック)。

専用スペースの寸法は、幅2300×奥行き800×高さ1400ミリメートル。重量は、仕切り壁+棚が5キログラム、仕切り壁+デスク+椅子が7キログラム、仕切り壁+階段が14キログラム。

同製品は、建築家・黒川紀章のカプセルハウスに関する研究を活かしており、「DNA パリデザイン賞 2021」で製品デザイン分野/人々のためのデザインに贈られる「DNA PARIS DESIGN AWARDS 2021」を受賞している。

プレスリリース

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リスク対策.com 編集部