企業として、最も勧めなければいけないのは「外出から帰った後(会社に出社した時も含む)」のタイミングだろう。同社が社員に対し、食品業界で使われる調査方法であるATP「ふき取り検査」を活用して「通勤後の手の汚れ」を測定したところ、「清潔である」(食事をしても安心なレベル)が1500以下であるのに対し、「通勤後の手の汚れ」は7022。実に「公衆トイレ入り口ドア内側の取っ手」よりも汚れが多いことが判明した(図3)。

意外なところが菌の温床に!
意外なところで汚れが多いのが、実はパソコンのキーボードやマウス(図4)。そしてバッグの持ち手だ。同社が調査を行ったところ、キーボードの汚れは6512。先ほどと同じく、「公衆トイレ入り口ドア内側の取っ手」よりも汚れが多いことが分かった。これは机の上で食事などをした後の食べかすや、外出から帰ってきて手を洗わずにパソコンを操作していることなどが原因だと考えられる。 

山岸氏は、「パソコンの作業中に手を清潔に保つのは、水なしで使える除菌シートなどが効果的だが、企業の従業員の方々にはまず外出先から帰ってきたら石けんで手を洗うことを習慣化してほしい。できればよく石けんを泡立てて、少なくとも30秒以上は正しく手を洗ってほしい」と話している。同社が勧める正しい手の洗い方をここに記載した(ダウンロード可能)ので参考にしてほしい。

(了)