従業員満足を高めるとともにリスク対策としても有効!
男性産休・育休取得促進に向けた法改正のポイント
毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
2021/06/03
ニューノーマル時代の労務管理のポイント
毎熊 典子
慶應義塾大学法学部法律学科卒、特定社会保険労務士。日本リスクマネジャー&コンサルタント協会評議員・認定講師・上級リスクコンサルタント、日本プライバシー認証機構認定プライバシーコンサルタント、東京商工会議所認定健康経営エキスパートアドバイザー、日本テレワーク協会会員。主な著書:「これからはじめる在宅勤務制度」中央経済社
今国会に提出され、2021年6月3日に成立した「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」(以下「改正法」といいます。)では、妻の産後鬱を支えるために産後8週間以内の男性の産休の取得を促すほか、大企業に対する男性の育休取得率の公表義務化などについて定めています。そこで、改正法の概要および社内において男性の育児休業制度を浸透させるためのポイントについて解説します。
現行の育児・介護休業法では、子が1歳(一定の場合は、最長で2歳)に達するまで(父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2カ月に達するまでの1年間、労働者の申し出により育児休業の取得が可能としています。また、産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても、申し出により2回目の育児休業を取得することができます。
しかし男性の育児休業取得率は、令和元年度において7.48%と、平成30年度の6.16%と比較すると上昇してはいるものの、いまだ低い水準にとどまっています。その一方で育児休業制度の利用を希望していたができなかった者の割合は4割となっていて、男性の育児休業取得の希望が十分にかなえられていない状況にあります。
男性の育児休業取得を促進することは、仕事と家庭の両立を望む男性の希望をかなえるだけでなく、第一子出産後に約5割の女性が出産・育児によって退職している現状において、女性の雇用継続にも資するものといえます。また、男性が子の出産直後に休業を取得して育児・家事に関わり、その後の育児・家事への主体的参加につなげることは、夫婦が希望する数の子を持つことにも資すると考えられ、男女問わずワークライフバランスのとれた働き方ができる職場環境の実現が期待できます。
ニューノーマル時代の労務管理のポイントの他の記事
おすすめ記事
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方