2018/01/26
防災・危機管理ニュース
東京都は25日、今年度「外国人のための防災訓練」を世田谷区の駒沢オリンピック公園屋内球技場で開催。都内在住外国人を支援する都生活文化局によると視察の67人も含め、336人が参加した。このうち外国人は232人。12回目となる今回の訓練では都が発行した防災ブック「東京防災」を初めて活用。首都直下地震の説明のほか、救護など訓練、起震車による揺れや避難所の体験を行った。
開会にあたり塩見清仁・都生活文化局長は2017年10月時点で都内在住外国人が人口比3.7%の51万人超となったことや、2015年の関東・東北豪雨や2016年の熊本地震といった災害が相次いでいることをふまえ「東京も災害に見舞われる可能性がある。こういった訓練に参加し、備えていくことがとても大事だ」とあいさつ。その後、都総務局総合防災部防災対策課の小澤洋之課長が首都直下地震について説明。「30年以内にM(マグニチュード)7クラスの地震が発生する可能性が約70%あり、もし起こったら23区のほとんどが震度6弱以上となる」と述べた。そのうえで1995年の阪神・淡路大震災での救助のうち自助と共助が97.5%を占めたことに触れ、自助・共助・公助の重要性を説明した。英語で自助は「Self Help」、共助は「Mutual Aid」、公助は「Public Aid」と訳した。
この後、地震が起こった想定で頭を守り、身を低くしじっとする訓練を行った後、6班に分かれて行動。起震車での震度7体験や、竹と毛布で担架を作り搬送する訓練を屋外で実施。屋内ではAED使用や心臓マッサージ、人工呼吸の救護訓練などが行われた。また、避難所でプライバシー保護に使われるパーテーションや防災トイレも展示。外国人参加者が興味深そうに説明を聞きながら眺めていた。
都生活文化局によると、今回出身国別で参加が最も多かったのはフランスで約40人。各国の在京大使館に都から参加の呼びかけを行い、熱心だったのがフランス大使館だったという。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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